新制中国の望郷編② 山東省 泰山
泰山のある泰安市は、山東省中部にある人口500万余りの町。泰山は世界の複合遺産にも登録されている世界的に有名な山。
古代においては、聖地泰山の標高1545メートルの頂上に仙人が住むと思われていた。そのため、不老長寿を願う秦の始皇帝は、天により近い頂上まで登り、仙人に会ってあやかろうとした。しかし、果たせなかったので、方士の徐福に仙薬を求めるように命じたとされている。
秦の始皇帝は、泰山の地で封禅の儀式を行った。封禅とは、皇帝が即位したとき、皇帝の正統性を示す山頂での儀式で、始皇帝以後、72人の皇帝が行なったとされている。
これは、日本の天皇が即位した証として、大嘗祭を行うことに類似している。
今では有名な観光地になっており、沢山の人が訪れている。泰山登山は、バスやロープウェイを利用すれば簡単で、一部徒歩はあるが、1日あれば往復できる。私はご来光を見るために頂上で一泊したが、大変寒かった。
頂上近くでは、長い階段を上った所に南天門があり、門をくぐると天街である。天街にはホテル、レストラン、土産物店があり、多くの人が御来光を見る所でもある。
頂上の玉皇頂へ行く途中に、岸壁に記された、“唐摩崖”と呼ばれる多くの碑文がある。唐摩崖からさらに階段を上がると、“玉皇頂”と呼ばれる泰山山頂に着く。泰山では複数の神が信仰されているが、最も位が高い神が“玉皇大帝”で、頂上を玉皇頂と呼んでいる。
玉皇頂から更に奇岩の間を進むと、日観峰に着く。ここには気象台があり、高い鉄塔が建ち並び、大変近代的な雰囲気で、古い建物の多い泰山のイメージからは、少々かけ離れている。
2022年3月14日追記