内蒙古のモンゴル族

中国内蒙古のモンゴル族⑦ モンゴル族のオボ祭(最終回)

私は、旧暦5月13日と定められた天神を祀るモンゴル族のオボ祭を参観しようと、1984年6月にまたもや内蒙古自治区を訪れた。 内蒙古のパルテルス平原 首府のフフホトから大青山を越え、モンゴル高原を北へ170キロ走ると、ハルテルス平原の中央部に…

内蒙古のモンゴル族⑥ モンゴル族の年始回り

1983年2月13日ウラントクでは、旧歴の元旦の早朝の祈りが終わると、年老いた者は横になるが、未婚の男女で気の早い者は親戚や親しい友人の家に年始回りを始める。 雪原の中の村 旧正月元旦の朝、雪原に立つ筆者 零下30℃の、肌を刺すような張り詰め…

中国内蒙古のモンゴル族⑤ モンゴル族の大晦日

1983年2月12日は旧暦の大晦日であった。私はモンゴル族の大晦日や新年の様子を見たくて、内蒙古自治区の区都フフホトを訪ねた。フフホトのホテルも役所もすべてが春節(旧正月)休みで、私1人のために2日前からホテルの料理人が3人残っていた。朝…

中国内蒙古のモンゴル族④ チリンゴルの羊飼いと馬養い

牧畜民の1日は朝が早い。昨夜ナスンさんのゲルに泊まった私は5時に起き上がった。外に出ると、ノルマさんがすでにゲルの近くで牛の乳を搾っていた。 早朝に牛の乳を搾るノルマさん 平原の日の出 朝日に映える隣の牛飼いドクルさんのゲル 夜明けの羊たち 9…

中国内蒙古のモンゴル族③ チリンゴルのゲル生活

1982年9月9日の朝、シリホトの町から東北へ100キロのチリンゴル人民公社を訪れた。ここは南モンゴル高原で最も豊かな地方で、戦後まだ外国人が一度も訪れたことがないという。 モンゴル服を着た馬上の筆者 チリンゴル人民公社の所長イエさん(50…

中国内蒙古のモンゴル族② タブシルのナダム

中国の内蒙古自治区は、日本の3倍にあたる広大な高原に約1900万人が住んでいる。大半が第2次世界大戦以後に南から移住してきた漢民族系の農耕民で、騎馬民族の末裔である。牧畜民のモンゴル族は、約200万人に過ぎない。それでもまだ自治区全体で約…

中国内蒙古のモンゴル族① モンゴル族の角力(すもう)

1982年9月初めに、中国内蒙古自治区の区都フフホトで、「全国少数民族伝統体育運動会」が開催されることを北京で知った。 全国少数民族伝統体育運動会場 アジア諸民族を踏査している私にとって、中国大陸の各民族が一堂に集まって、伝統体育を披露する…