私は、1994年8月27日、新疆ウイグル自治区のウルムチから汽車でカシュガルに着いた。着いてすぐに、ウイグル族の居住地域の中心地、エイディガール広場を訪ねた。
カシュガルは、中国最西端のキルギス共和国との国境の町。シルクロード時代から交易の町として栄えた所で、ウイグル族中心に人口60万余りの大きな町。
カシュガルとは、古代ペルシャ語で、“玉(ぎょく)の集まる所”という意味だそうだ。東トルキスタンの中心的な町として、シルクロード貿易で栄えた古い町であったが、中華人民共和国になって、徐々に漢民族移住者が増えている。しかし、中華人民共和国の中ではまだウイグル色の一番強いイスラム教の町である。
町の北側のエイディガール寺院一帯はウイグル族中心の居住地帯で、昔ながらの活気のあるバザールがあり、絨毯や民族楽器、野生動物の毛皮製品なども売られている。
私は、カシュガルから西のキルギス共和国へ向かうための訪問で、僅か1日の滞在であったので、街の中心部しか見られなかった。