ミャンマー北部探訪㉗ 川沿いの町カムティ
ミャンマー西北部の山岳地帯にあるナガ族の町、“ラヘ”を訪ねるため、2017年11月26日に、マンダレーからカムティへ飛んだ。
カムティ空港に午後1時に着いた。初めての町で何も情報がなかった。空港のオフィサーに話しかけ、日本から来た旨を伝え、町までのタクシーと宿泊先を紹介してもらった。
町は空港から5、6キロで、直ぐに紹介先の“ミヤナンタウ・ゲストハウス”に着いた。ゲストハウス近くのレストランでチャーハンを食べ、午後2時半から一人で街を見て歩いた。
カムティはチンドウィン川上流の、川沿いの人口3万人の町で、川船による物資流通の拠点として栄えていたそうだ。もともとはシャン族中心であったが、今ではビルマ族も多くなっているとのこと。
川沿いの街には“琥珀”を売る店があった。琥珀は、大昔の樹脂が地中で化石のようになった宝石の一種なのだが、聞くところによると、この近辺は琥珀が出土することでも知られているとのことだった。しかし、上質の琥珀はマンダレーやヤンゴンの方に持ち去られ、観光客や人口の少ないここにはあまり高価なものは置いていないとのことだった。
午後4時頃から川沿いを歩き、川船が沢山停泊している様子を見た。大陸における川は、古来のハイウウェイで、船による物資流通にはなくてはならない道の役割をなしていた。
船上で生活する人も、陸上で生活する人も皆、川の水なくしては生きられないので、人々は日常的に川には馴染んでいる。この町には本来風呂もシャワーもなかったそうだ。彼らは年中川の水を使って生活していた。しかし、今、モダンな家にはシャワーはあるが、風呂はないそうだ。
夕方になると、タオルを肩に掛けた女性たちが、川岸に浮いた竹製の浮き台の上に、日本人が銭湯に入るように集まり、水浴びをしていた。まるで娯楽の一時のように、楽し気な活話が川面に響き、華やいでいた。
私は川沿の岸辺にころがっている、宝石のような青・赤・褐色・黒・白色などの珍しい石ころを見て歩いた。表面に凹凸のある鉄のように重い卵大の石ころを一つ拾い上げた。もしかすると“隕石”かもしれないと思い、ポケットの中に入れて持ち帰った。