ミャンマー北部探訪㉖ プーターオの子どもたち
私は、青少年教育団体の理事長をしているので、学校を見物したい旨を伝えると、ディンゴー君が、シャン族が住むカンキョ村にある“サーチ・ハイスクール”に案内してくれた。先ず女性校長のダケイ・チーチョさんに会い、私の英文の名刺を渡して、青少年教育の教育現場を見たい旨を伝えた。彼女は、日本から来たことに大変驚かれ、是非見て下さいと、2階建ての校舎を案内してくれた。
この学校には小学校から高校までがあり、15~17歳のクラス、11~14歳のクラス、そして8~10歳までのクラスが同じ校舎の中にあるそうで、まず8歳からのクラスに案内された。子どもたちは教室の中で騒いでいたが、校長に私が紹介されると、キョトンとした表情で黙り込んで私を見詰めているだけだった。
次には11歳からのクラスに案内され、授業中を参観させてもらった。担当の先生が日本について説明し、子どもたちの中に入って記念写真も撮らせてもらった。次には2階の15歳からのクラスで36名の学生がいた。そこでは、日本人を見るのは初めてだということで、生徒たちに挨拶させられ、握手を求められた。
1時間以上滞在し、校長に礼を述べ、記念品を渡してホテルに戻った。
翌日、12月1日は、プーターオから約16キロ西へ離れたアパーシャントン村を訪ねた。外国人が行ける西端の村。ここには約1,000人のロワン族が住んでいた。この村から山を越して、西へ向かうとインドのアッサム地方へ出る。山麓にあるこの村は標高が1,400メートルもあり、昔ながらの素朴な村で、小学校があった。丁度お昼時であったせいか、子どもたちが学校から帰宅途中で、よく見かけたので話しかけ、ロワン族の4人の女の子を撮影させてもらい、名前を聞き取った。
コム ローム、シーダーサル(11歳)、ラワン・サラ(10歳)、レダン・ワン(11歳)、ランプ―・ミンサン(10歳)たちで、初めは恥ずかしがって顔を隠したが、ポラロイドで撮影した写真を見せると大変驚き、10分もすると話かけてくるようになり、一緒に撮影までできた。
坂道を下っての帰路、ローワシャントン村で、小川に新しい橋をかけていた珍しい光景を見た。竹でかごを作り、その中に小石を入れて橋脚としての支柱を固定する橋のかけ方は、古代と変わりない方法なのだろう。
大変珍しかったので、橋づくりの共同作業を1時間ほど眺めた後、アンパン村にあったアワシャンカウ・ハイスクールを訪ねた。ジンポー族の校長ブラディー(46歳)さんと、シャン族の教師イクン・リン(35歳)さんの2人が応対してくれた。
ハイスクールと言っても、中学生くらいの子どもが多く、近辺のロワン族、シャン族、リス族の子どもたちが約200人通っているとのことだった。
授業は参観できなかったが、外で遊び回る子どもたちを撮影させてもらった。私が見た限り、姿かたちは皆同じようで骨格や衣服では区別できなかった。皆、学校で習うミャンマー語を話して、楽し気に元気いっぱい遊んでいた。
この後、案内人のディンゴー君の村を訪ね、彼の家に立ち寄ってからホテルに戻った。