地球へめぐり紀行

ユーラシア大陸横断鉄道の旅 編

空気が白濁するハルビン(2006年1月)黒竜江省

 2006年1月14日(土)、午前8時すぎの北京空港は濃霧に包まれ、飛行機の発着ができず、7時間も遅れてやっと午後2時35分に離陸し、1,444㌔北のハルピンには、3時50分に着いた。空は晴れ、外気は零下16度だが、大地に雪はなかった。

 世界で一番大規模な氷の祭典を見るためにハルビンまで来たので、1月14日の夜8時半から、松花江沿いで開催されている、第7回「氷雪大世界(国際氷雪祭り)」を、通訳兼案内人の張(50代)さんの案内で、北京から同行した友人の息子さんの武君とともに訪れた。

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通訳兼案内人の張さん

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武(19歳)君

 7~8百メートル四方の広さに、沢山の実物大の建物などが建てれられ、見る者を圧倒する雰囲気のいろいろな物は、ハルビン市内を流れている凍結した松花江から切り出した、長さ1~2メートル、横50センチ、縦2~30センチの氷柱や氷板を積み上げて作られている。物が大きいので大変な作業だ。

 会場に入ってまず驚かされたのは、規模の大きさと華やかさであった。無数の灯りに映える空気が白濁して、天空の大きな月や星がぼやけて見えるし、灯りの全てが幻想的にぼやけた夢の世界のようなことだった。

 「気温は今、摂氏零下25度です」

 張さんが教えてくれたが、これから一層寒くなって零下30度になるそうだ。なんでも空気中の水分が凍結し、小さな粒子となって浮遊しているので白濁化するが、人の吐く息が凍結して白濁化するので、人が多いほど白濁化現象が強くなると言う。素手で鉄製の物に触れると肌がピタッとくっつくことに驚かされたり、カメラのバッテリーが寒さで機能しなくなったりして、気分的に寒さが一層強く感じられた。

 1時間もすると、いくら華やかな氷の祭典でも、白濁する空気の重さと夢遊病的雰囲気、それに肺の中まで差し込む寒さに耐えられなくなって、暖房の効いた部屋に逃げ込んだ。

 文明の利器による暖かい空気に触れると、天国か極楽浄土のような気分になり、2度と黄泉の国のような白濁する世界には戻りたくなかったので、ホテルに戻ることにした。翌日は、武君と二人で公園の雪まつりを見た。

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ニコライ教会の前で