ミャンマー北部探訪⑫アマラプラのチーク材の橋
マンダレーの周辺には、シャン族・モン族・ビルマ族などが都にした町が3カ所ほどあり、その1つがアマラプラの町。
マンダレーから11キロほど南にあるアマラプラは、エーヤワディー河とタウンタマン湖に挟まれた所にある。ここにはいろんな民族が都としたが最後は、ビルマ族の王が1841年にインワから遷都した。しかし、1857年には次の王がマンダレーへ遷都した。主要な建物などは、マンダレーに運ばれてしまい、さらに地震の被害などもあって、今では都であったことを偲ばせる建物はほとんどない。
残っている唯一の建造物は、“ウー・ベイン橋”と呼ばれる160年ほど前に作られたチーク材の橋。これは、インワからアマラプラへ遷都された当時の市長ベインさんが、インワの旧王宮からチーク材を運び、タウンタマン湖を渡るために造った全長約1・2キロの立派な木製の橋。
私は、そのチーク材の橋を見るために、半日車をチャーターした。マンダレーから朝8時に出発し、約30分でウー・ベイン橋のたもとに着いて、すぐに橋を渡り始めた。
160年も前に作られた全長1・2キロもあるチーク材の橋は、今も修繕を重ねながら市民が日常的に使っているし、文化遺産になっているので国内外の観光客も多い。
朝日を浴びながら30分ほど歩いて対岸にある、チャウッド・ヂー・パヤーを訪ねた。ここには、上半身が女性、下半身がライオンの伝説の生き物「マヌーシャ」の像があることで知られている。
帰りには橋から下りて大地を歩きながら、下から橋を見上げた。そして橋の側にあった露店で青いココナツの実を1000チャットで買った。イスに座ってココナツジュースを飲みながら、湖にかかる橋を眺めた。大変珍しいが、高くて長いチーク材の古い橋が、なんとも素晴らしく、史跡としての価値は十分にあるように思えた。