地球へめぐり紀行

新制中国の望郷編

内蒙古からチベット7000キロの旅㉙ 荒野のゴルム市

 ツァイダム盆地は乾燥が激しく砂漠化しているが、土壌の性質は単純ではない。砂漠、土漠、礫漠、それに低木の生えたところもある。風か強いせいで地面は土や砂がなく、小さな礫が塩で固まった平原もある。都蘭からすでに2日間走っているのだが、南に山脈、北に平原のある光景はほとんど変わらない。砂漠の砂は黒・白・褐色だが、全体的には灰褐色に見える。黒い岩山に白い砂が風に吹かれてせりあがり、まるで氷河のようである。

 ゴルム市の手前20キロのあたりに、小山のような灰黄色の砂丘がいくつもあった。しかし砂漠ではない。ところどころに檜(ひのき)のような細かい葉のタマリスクが群生している。

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ゴルム市の招待所

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ゴルム市の近代的なホテル

 午後1時半、荒野の中のゴルム市につき、人民政府招待所に泊まることにした。この招待所から、南のチベットのラサ行きの公営バスが出発する。北の甘粛省敦煌行きや東の西寧行きのバスもあり、旅行センターの役目もしている。外国人や、漢、チベット、蒙古、回、ウイグル族など、いろいろな民族か往来するので、いろいろな言葉が聞かれる。便所の入口の扉には、英語を含めて5種類の言語が書かれていた。

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チベットのラサ行きのバス

 ゴルム市は、西寧から西へ伸びた鉄道の終着地である。チベットヘの物資は、ここからトラックによって輸送される。この町は甘粛省、新彊ウイグル自冶区、チベットヘの物資流通の十字路になっているので、青海省西部では最も活気がある。

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外市

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市場で売られていた漢方薬の原料

 9月11日は日曜日だった。ゴルム市の自由市場へ行くと、路上に衣服を吊した店が何十軒と並び、人出か多かった。饅頭や豆腐、麺類なとも売られ、野菜や果物も多かった。また路上に多くの雑誌が並べられていたし、本屋もあった。雑誌は北京、南京、上海など、東部で発行されたものばかりである。

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ゴルム市で売られていた東部で発行された雑誌

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街頭に並べられたビリヤード台

 この町もビリヤードがさかんで、街頭に20台も並べられて人だかりがしていた。1ゲームが1~3元で借りられる。中国はどこへ行ってもビリヤードの台か置いてある。青海湖畔の草原の丘にも、ポツンと1台置いてあり、少年が見張っていた。

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農産物市場

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街頭の歯医者さん

 中国の漢民族は、麻薬や賭博で戦争や経済不安を起こし、国を衰亡させたことのある人びとである。こうも多くなってくると、賭博ビリヤードか国中に蔓延し、社会問題になるやもしれない。麻雀やトランプも盛んだが、ビリヤードのように大衆の面前で公然とは行なわれないので救われている。