ミャンマー北部探訪⑧ マンダレー・ヒル
マンダレーの中心街から北へ5、6キロ離れたマンダレー・ヒルまでサイケ(オートバイタクシー)を雇って行った。
ヒルの入り口には大きな2頭のライオン像があった。これを“チンテー・ヂー・ナッカウン”と呼んでいる。チンテーはライオン、ヂーは大きい、ナッカウンは2つを意味する。
階段の入り口で靴を預け、素足で階段を上る。マンダレー・ヒルは全山が仏教の聖地になっており、沢山の寺院があるので、有名な観光地でもあり、外国人が多いが、現地のミャンマー人も多い。車でも7合目の頂上近くまで行けるのだが、地元の人は皆、天気に関係なく登れる屋根付き階段を使って上る。階段を上っても上っても果てしなく続く。
一千以上もの階段が続いているそうだが、一気には上がれないので、休み休み上った。行けども行けどもなかなか行きつけなかったが、しばらく上っていると急な階段を上がった頂上近くに、土産物を売る店が並んでいた。そこでしばらく息抜きをした。聖地の頂上に着くための苦労だと思えばよいのだが、なかなかそうは思えず、悟ることもなくやっとの思いで頂上に着いた。
階段を上り詰めた頂上は、全てきらめくように輝いているスタウンピー・パヤの寺院になっており、床は美しい大理石が敷いてあった。多くの人が、仏像の前に座っていたり、広間に座ったりして休んでいる。
日本と違って小乗仏教のミャンマーでは、多くの人が毎日のように寺院に詣でる。一面に明るいタイルが貼られている寺院は、極楽のような雰囲気があり、人々は至る所に座って休んでいる。
私は、しばらく床に座っていたが、スタンウピー・パヤの展望テラスに出て、広い広い果てしもなく北や東方に広がる大平原を見下ろした。南の方には、王宮やマンダレーの町が一望できる。樹木の少ない褐色の大地がむき出しになった所でも、山のないのっぺらぼうの所でも、どんな所でも人々の生活が営まれていることを感じながら、夕方近くまで眺めていた。