地球へめぐり紀行

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世界142ヶ国の民族踏査旅行記

ラオスの古都ルアンパパーン(2015年12月)

 2015(平成27)年12月23日の朝、ベトナムのディエン・ビエン・フーからプライベートバスに乗り、17時間30分後の24日早朝にラオスのルアン・パバーンに着いた。町の中心街にある“マイラオハウス・ボタニクホテル”は、庭に草木があり、2階建てのコテージ風で、南国的な雰囲気がある。1階の部屋の入り口には机と椅子があり、モダンな感じの部屋はツインベットで、ホットシャワー・トイレ付。朝食も付いて1泊40米ドルと手ごろな価格。

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プーシーの丘に登る途中に設置されたごみ箱

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プーシーの丘の上から見下ろした町の中心とメコン川

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元王宮の博物館

 ラオスの首都、ビエンチャンから北西に約400キロのメコン川沿いにあるルアン・パバーンは、1353年にラオスを初めて統一した、ラーンサーン王国の王都であった。16世紀に都はビエンチャンに移ったが、1975年の革命によって王制が廃止されるまで、約6世紀に渡って栄えた古都で、日本の京都のような存在である。

 市内で最も大きな、メコン川沿いに並行しているシーサワンウォン通りを北東に向かって歩いた。年末のクリスマス休暇でもあるので、欧米からの観光客も多く、人通りは絶えず、活気がある。

 ラオス第2の都市ルアン・パバーンは、現在も人口10万人を越える町で、市内には80もの古い寺院や街並みがあり、1909年に完成した王宮が、国立博物館として公開されている。そんなこともあって、1995年には、ユネスコによって世界遺産に登録された。

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ワット.シエントーン寺院の仏像

 道沿いの国立博物館は午前11時半から午後1時半まで閉館する。町中にある小高い丘プーシーの入口は博物館前の通りに面している。入場料2万キープ払ってプーシーの丘をジグザグに階段を上る。道沿いに竹かごのごみ箱があった。さりげなく置かれた手製のゴミ箱が、何とも環境になじんでいるようで、自然を大事にする仏教の国らしい心遣いに感動してしばらく眺めた。

  丘の上には白い台座に立った金色のタート・チョムシーと呼ばれる仏塔が建っている。そこから北西を見るとルアン・パバーンの町が広がっており、その向こうにはメコン川がある。東側にはメコン川に合流するカーン川がある。2つの川に挟まれて半島のように突き出た平地に、ぽっこりとこぶのように盛り上がっている丘の上からの眺めは、水と緑の大自然に包まれた古都ルアン・パバーンが一層神秘的で、仏の国らしく穏やかなたたずまいを見せてくれている。

 午後1時半から国立博物館を訪れた。1975年の革命まで王宮として使われていたので、立派な装飾や調度品、それに各国からの贈答品等が多く陳列されており、その当時の王族生活の様子が分かるようになっている。

 昼前に訪れた国立図書館で、ラオス少数民族に関する本が欲しいのだがと尋ねたときに教えられた、ワット・マイ寺院の近くの“ワット・ノーン”と呼ばれる、世界中にラオス紹介をしている民間の本屋さんを訪ねた。本屋と言っても素朴なもので、一階の部屋に自分たちが発行したラオスに関する本を並べているだけだった。私は少数民族についての本を2冊買った。

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ワット.シエントーン寺院外壁の”マイ.トーン(大樹)”

 ワット・マイ寺院を見た後、近くのワット・セーン寺院の中にある仏教系の学校を訪ねた。6、7歳から14、5歳までの生徒は赤褐色の僧衣を身につけていたが、カメラを持った私に近づいて片言の英語交じりに話しかけたり、楽しげに笑ったり、カメラを手にしようとしたり、いずことも変わりない好奇心のある小坊主たちで、元気がよかった。カメラを向けると逃げる子もいたが、並んで立ったり、緊張して見つめたりする子もいた。顔形は日本の子どもに類似しており、言葉は違うがやることなすことも同じような気がした。

 夕方、ワット・シェントーンの寺院に入場料2万キープを払って入った。1560年にセーターティラート王によって建立されたそうで、大変立派な本堂があり、外壁には“マイ・トーン”という伝説の大樹のモザイクが施されているカラフルな寺院だった。さすが、仏教国、寺院が多く、カラフルな同じような建物が多い。

 ワット・シェントーン寺院は、半島のように突き出した平地の先端にある。そこからカーン川がメコン川に合流している川沿いに降りた。カーン川には小さな竹橋があり、人々が対岸と行き来していた。川沿いの砂は小さく白いので、靴を脱いで素足で歩くと気持ちがよかった。

 メコン川で小舟に乗って漁をしている親子がいた。夕日に映えて絵画的な光景にカメラのシャッターを押す。

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上はカーン川とメコン川の合流地、下はメコン川対岸への渡し船

 川沿いを歩いて夕暮れのメコン川の有様を見た。対岸まで1キロもありそうな広いメコン川は、海か湖のようで、対岸への大きな渡し船が往来し、日本的な川のイメージはない。夕暮れに染まるメコン川のほとりを歩いてホテルに戻った。

 午後7時に夕食に出た。近くの露店食堂が並んでいる通りに入った。台の上に沢山の食べ物が並べられ、炭火で焼いて食べさせている。川魚、鶏、野鳥、牛肉、豚肉、ソーセージ等やピーマン、しいたけ等竹串に刺して焼いているので、煙がたなびき香りが周囲に充満し、食欲をそそる。それに東南アジアはどこでも売られている竹筒の飯“カウラン”もある。カウランは、ココナツジュースともち米を竹筒の中に入れて焼き蒸したもので、香りがよく甘くておいしい米飯。

 ティラピアと呼ばれる黒鯛(チヌ)に似た30センチ程の魚が1匹2万キープ(約260円)、野鳥の丸焼き2羽が2万キープ、ビール大1本1万キープ。大きな皿に飯と五品くらいの煮物を添えたのがやはり2万キープ。一人では食べきれないのだが、注文して長いテーブルに座って食べていると、奥さんが日本人、夫はオーストラリアのシドニー育ちのカップルがやってきて、偶然前に座った。今夜は12月24日でクリスマスイブ。この庶民的な食堂街には欧米からの若いお客が多く、ビールを飲みながら気勢を上げている。

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賑やかな露店

 目の前の彼らと日本語で話していると、「日本人ですか?」と言ってやってきた若い男女がいた。「そうだよ。まあ座れ」と2人を隣に座らせた。彼らも食べ物を注文して、日本語の会話が始まった。シドニーの2人はやがて席を離れたが、私たち3人は、9時近くまで飲み食いして話し込んだ。

 多民族多宗教の人々が入り混じった、異郷のドヤ街のような所でワイワイガヤガヤと騒ぎ、食べ物があふれている。ルアン・パバーンの露天街は国際色豊かで華やいでいたこともあり、飲んで食べて会話のある一夜を楽しく過ごした。